教学舎にしまいづる教室にT君がやって来たのは、
にしまいづる教室1年目で、
その当時小学生でしたが、もうすぐ中学3年生。
それまでは他塾の英検コースで勉強していて、
5級に合格した直後に当塾に問い合わせがありました。
「えっ・・・?合格したのになぜだろう?」と思いましたが、
面談で保護者さまから話を聞いて納得しました。
「受かりましたけど、受かっただけです。何も理解できていないし、
塾のノートを見ても間違い方がひどいです。
何も考えられていないことが私たちにもわかるくらいです。」とのことでした。
とにかく
当塾で1カ月の無料体験授業スタート。
まずはT君の性格や個性を知ることから始めて、
それに合わせながらも、目指したのは「脱!なんとなく」です。
ここでは「間違ってもいいけどもっと考えよう!」
たとえ小学生であっても、難しいことを羅列しなくても、
「英語」を言語としてとらえて「英語の仕組み」を丁寧に伝えていくことは可能。
大切なのは生徒の個性を尊重すること。
変化が形になって現れたのは中1になりたてのころ。
彼の間違えに対して「なんでこれが答えやと思ったの?」この何度も何度も繰り返してきた質問に、
T君が自分の考えの筋道を自分で語り始めたのです。
英文法のルールを自分で復唱しながら。
「やったー!」と叫びたいほどだったけど、
先生なので冷静に気持ちを抑えました。
けど思い切り褒めて、
これが本当の学びだという姿勢を保って大げさにならないように・・・。
約2年程かかりましたが、
自分で考える力がすくすくと伸びています。
分厚い壁はもちろん幾重にも現れます。
でも、落ち着いて、時間はかけて、T君は自分で考えます。
この間にT君は、英検4級、3級と順調に合格して、今回準2級に挑戦しました。
一緒に答え合わせをして解説しました。
そうすることで「目標と課題」が共有できます。
今回での合格は難しいかもしれませんが、
実際の結果は次の授業時に本人から直接聞くことにしています。
たとえ不合格だったとしても、大丈夫です。
T君には「結果とは向き合わなければならないからその勇気を持つこと。
でも、そこに至るまでの過程を大切にできる人になろう。」と
伝えてきたので、またコツコツ頑張るはずだと信じています。
コツコツと、時にはジャンプしながら。